
写真は、年末年始のアトリエ。休業中にエントランスのガラス窓にスクリーンを下ろすと、古いモミジの樹影が映り込みます。ふだんは枝葉が窓越しによく見えますが、こんなふうに包まれたような雰囲気になるのも、ちょっと気に入っています。
このモミジはもう60年ぐらいはこの場所にあるでしょうか。このアトリエができあがってからの十数年間の変わらぬ光景です。このモミジと共にあるということが、気持ちのうえで安らぎと穏やかさにつながっているように思います。ぼくにとっての、寄る辺となる場所です。
AIの加速度的な進化によって、あらゆることが変わりつつあります。ぼくたちの設計の仕事だって同様に、AIの進化を活用しながら進んでいかなくてはなりません。
でも大切なのは、その向かう先をいかにイメージできるか、ということでしょう。
これからの時代に建築をつくるということは、役に立ち、長持ちすることが在り方の前提となるでしょう。長い年月に使い続けられるような受容力と性能を有し、一方で劣化することが好意的に受け入れられるような風合いを醸し、その場所の雰囲気と過ごす時間に愛着を持たれるような「寄る辺」を、丁寧につくっていきたいと思います。