2021-01-01から1年間の記事一覧
数年前にイタリア中部のアッシジを旅行したとき、サン・ダミアーノという修道院を訪れました。 イタリア在住時の記憶を珠玉のエッセイにしたためた須賀敦子の著作や、エリオ・チオルの写真集などの影響で、僕にとっては訪れる前からかけがえのない場所でした…
東京はここしばらく晴天が続きます。明日からは寒波がやってくるということで、凍てつくような寒さになるのでしょうか。 冬の庭は草花が枯れて寂しいようでありながら、冬ならではの枯れ色の美しさがあるように思います。 数は少ないけれど、そのなかで咲く…
一年点検で訪れた「大磯の家」。久しぶりの訪問だから、気持ちよく晴れてくれることを望んだけれど、なぜかその日だけ、冷たい雨。 ちょっとがっかりしつつも、晩秋の雨に濡れる平屋の家は、むしろしっとりとした風情で、良い時に出会えたことを嬉しく思いま…
近年に竣工した住宅のなかから、写真の準備ができた作品をオノ・デザインのホームページにアップしました。 合計7作品の更新となりました。 2005年の独立以来、16年にわたって活動してきた内容は、もちろんどれも異なるのだけれど、共通しているよう…
「古河の家」は愛猫とともに暮らす家。 猫がいる家で悩ましいのは猫用のトイレをどうするか、ということ。 ニオイも強いですから、トイレを離れたところに置きたくもなるけれど、離れた場所をすんなりと猫が受け入れてくれるのか・・・。 そんなことを考えつ…
「古河の家」に点検を兼ねて訪問しました。 古河市の旧市街には、間口が狭く奥に細長い外区割りの地域が残っていて、そのなかの一区画に建てた家です。 アトリエとギャラリーを併設した細長い家。 ダイニングは中庭に面しています。ひととおり点検を終えたあ…
ひきつづき「古木と暮らす家」のこと。 道路に面した前庭に、古い庭木が残されています。 玄関へは、その古木の傍らを通ってアプローチします。 午前中は木陰のある小径。 なんだか、そこを通るだけでほっとする感じです。 イタリアやスペインで見かける、路…
「阿佐ヶ谷 古木と暮らす家」。 引き渡し前の束の間、写真を撮りながら空間にひとり佇む。 この家には古い庭木があって、庭に大きく開かれた窓から一日中、向きを変えながら木漏れ日が室内にはいってきます。 なにかに見守られているような感覚。 真新しい家…
阿佐ヶ谷で建てている現場が佳境に入っています。 御祖父様が大切に育ててこられた庭木を残し、寄り添うように建てた家です。 すべての庭木を残すことはできなかったけれど、それでもいくつかの主要な木々を残すことができました。 足場が外され、家の外観が…
設計したM's arkに併設されているギャラリー「M-gallery」で画家・伊藤泰雅さんの展覧会が開催され、訪問しました。 伊藤さんの作品は抽象的でありながら、そのマチエールは独特の物質感に満ちています。 その場に居合わせないと、なかなか感じ取れないマチ…
「吉祥寺北町の家」に、長期優良住宅制度の定期点検で伺いました。 できあがって5年以上が経ち、久々の訪問となりました。 今日はしとしと雨。 どんなふうになっているかな。手がけた家に久々に再開するのはちょっとどきどきします。 かつて通いなれた道を…
設計のご依頼を受けて、設計デザイン案をスタディしてプレゼンの準備をする時間というのは、独特の気分があります。 もう少し若かった頃は、プレゼン前には妙に構えてしまって、どんな話をしようかと考えるだけで気負うような感覚がありました。 それがプレ…
コロナ禍で手洗いや洗面コーナーの重要度が上がりました。 通常、いわゆる洗面室のなかに洗面台があったりするのですが、玄関のすぐ脇であったり、廊下の途中であったり、とにかくパッと手を洗える位置にあると便利です。 写真は「目黒本町の家」。2世帯住…
涼しくなってきて、窓を開け放したくなる季節(と思いきや すぐに台風発生の一報があったりするのだけれど)になりました。 気持ちのよい季節は案外と限られているから、なるべく満喫したいものです。 設計した住宅で、いろいろな窓辺コーナーをつくってきた…
ちょっと映画の話の続きを・・・ 映画の楽しみ方は人それぞれですが、ぼくの場合は、ストーリーよりも映像の方に気持ちが向かいます。 ストーリーはなんだかそのうち忘れてしまうのだけれど(笑)、印象的な映像は、いつまでも記憶の奥底で明滅しているので…
コロナのワクチン接種をして、ウワサ通りにちょっと調子を崩した時に、なんとなく映画を観たくなって、ひさしぶりに「かもめ食堂」を観ました。 かなり以前に一度観たきりで、断片的な映像は鮮明に覚えていたのだけれど、ストーリーはあまり覚えていなくて、…
杉並で進行中の現場。ここは古い家の建て替えで、主要な庭木を残し、それらの庭木に寄り添うようにプランニングをして設計した家です。 道路に面した前庭には立派な百日紅があります。百日紅は花の期間が長く楽しめますね。 工事中のブルーシートが張られた…
所用で奈良に赴いたついでに、西ノ京へ。お目当ては唐招提寺。これまでに何度も訪れた寺院です。 写真家 土門拳のエッセイのなかで、唐招提寺の撮影話が登場します。土門拳は被写体に肉薄した画風が特徴的ですが、ここ唐招提寺の撮影に幾度も訪れるうち、仏…
食べ盛りの子どもがいる家庭のキッチンは、ハードに使えて、楽しく過ごせるようにしたいもの。 「梅園の家」のキッチンはハイサイドライトからの明かりに照らされて、家の中心にあります。 キッチンでの作業は大忙しだから、常にきれいに片付けるのはタイヘ…
最近の夏の日差しはとてつもない強さで、視界のなかで物の輪郭が白くぼやけてしまうほど。 体温を超えるような暑さのときは、室内を涼しくして過ごしていることに幸せを感じます(笑) 写真は「大屋根の家」。竣工後まもない頃はちょうど真夏で、暑い日にお…
イタリア中部の街アッシジで、小さなホテルに宿泊したときのこと。 石造りの街ですから緑の気配は少ないのですが、エントランスを通って中庭に出たとたんに現れた光景に息をのみました。 光が、影が、弾け飛ぶような空間。 中庭の上空にパーゴラが掛けられ、…
東京オリンピック フェンシング エペ団体戦で、日本チームが金メダル! フェンシングには3種目があって、エペという種目は「先に血を流した方が負け」という西欧中世の決闘が発端となった競技なので、全身どこでもいいから先に突けばよいという、単純明快な…
川口市に建つ複合建築「M's ark」に撮影で久々に訪問。 この建物は住宅にギャラリーやアトリエ、そして茶室が併設されています。 川口駅にほど近く利便性はありますが、準工業地域のちょっと退廃的な喧噪のなかに建っています。 敷地はとても奥に細長く、都…
梅雨があけたら、いきなり真夏の空が広がりました。 太陽の光に重さを感じるというのか、とにかく夏の日差しは圧力がものすごいですね。 まだ夏の明るさに慣れていないのか、屋外にいるととても眩しく、明るいところと暗いところの明暗のコントラストが極端…
ぼくの子どもは小学校の特別支援学級に通っていて、日常的に子どもと一緒に登校しています。 そうすると子どもたちや先生方や近隣の方々とも少しずつ顔なじみになっていって、自然とあいさつをするようになって、とても気持ちがよいものです。 普段から学校…
雨の間隙をぬって、杉並の現場では上棟式が行われました。 古い街並みのなかにある土地での、建て替えの計画です。 昔から残る庭の古木を、残せるものはなんとか残しました。 土留め壁のやりかえや解体などの関係で、当初に思い描いたほどは木々を残すことは…
最近は、庭を楽しめる家を、というテーマで設計のご依頼をいただくことが増えてきました。 風光明媚なロケーションの敷地もあるけれど、多くは街なかの比較的ちいさな敷地。そのなかにほっと息をつけるような場所をつくりたい、という想いとともに家づくりが…
フィンランドの建築・デザインのレジェンド アルヴァ・アアルトとアイノ・アアルト夫妻の展覧会が世田谷美術館で開催されており、観に行きました。 大学で建築を勉強していた頃には、アアルトの建築の空間性だとか風土との呼応だとか、ロマンあふれる話をた…
観てしばらくしてから、じわじわと「効いて」くる絵画というものがあると思います。 ぼくにとってそのひとつは、ヴィルヘルム・ハンマースホイ(Vilhelm Hammershøi)の絵画。 フェルメールの画風からの影響もいわれる北欧の画家です。 モノトーンが基調とな…
建築デザインの世界でよく使われる言葉のなかに、「シークエンス」というものがあります。 歩み進めるごとに、目の前の場面が変化していく、という主旨の言葉です。 「月見台の家」は旗竿地に建っています。 建物の広さは全部で30坪に満たない小住宅ですが…